2025年11月28日(金)、日本体育図書館協議会第15回研修会を開催しました。今回は、「自校史資料の収集、管理と利活用」をテーマとし、立教大学池袋図書館、立教学院史資料センター、立教学院展示館の見学を行い、4館7名が参加しました。
【概要説明】
見学に先立ち、立教大学池袋図書館2階グループ学習室にて、当研修会からの事前質問に沿って、図書館利用支援課の鈴木加奈子氏から、大学の概要・歴史、池袋図書館の施設・環境概要(建物構成・構造上の工夫)、自動書庫、利用状況(コロナ禍前後)、新座図書館・保存書庫、貴重書庫、旧江戸川乱歩邸についてご説明いただきました。続けて、学院史資料センター課長神長篤氏から、各機関(図書館、学院史資料センター、学院展示館)の大学における位置づけ、収集・保存・整理・公開の状況、「自校史教育」との関わり方、大学事業としての「アーカイブ」についてご説明いただきました。その後の質疑応答には、立教学院展示館・学術コーディネーター/学芸員の豊田雅幸氏、立教学院史資料センター吉岡三重子助教、図書館利用支援課長伊戸宏実氏にも対応いただきました。 その後の質疑応答には、立教学院展示館・学術コーディネーター/学芸員の豊田雅幸氏、立教学院史資料センター吉岡三重子助教、図書館利用支援課長伊戸宏実氏にも対応いただきました。
その後の質疑応答には、立教学院展示館・学術コーディネーター/学芸員の豊田雅幸氏、立教学院史資料センター吉岡三重子助教、図書館利用支援課長伊戸宏実氏にも対応いただきました。
【見学ツアー】
①立教大学池袋図書館 https://library.rikkyo.ac.jp/
池袋図書館は、図書館本館新館(1960年完成。現メーザーライブラリー記念館(新館))と3つの学系図書館(2001~2002年開館)を統合して、2012年11月に開館しました。池袋図書館は、ロイドホールの地下2階から地上3階の5層と、隣接する12号館の地下2階から地上1階までの3層を一体化した建物で、最大収容冊数200万冊、閲覧席数1,538席の大規模図書館です。
総合学習図書館および研究図書館として、来館・非来館を問わず多様なニーズに対応するため、静粛な学習・研究エリア、グループ学習のためのアクティブラーニングエリア、ラーニングアドバイザーの相談ブース等が配されています。また、一般的な学習用閲覧席のほか、ソファーやベンチ、ハイチェア等、様々なタイプの席で学生が思い思いに過ごしており、親しみやすく滞在しやすい図書館という印象を受けました。
地下2階には自動書庫(収容能力約100万冊)と貴重書庫(防火扉で仕切られ、二重に施錠された閉架書庫。資料の劣化や虫菌害防除のため、24時間空調により、温度22±2℃、相対湿度50±10%に厳重管理。)があり、多様で膨大な資料を適切に保管し、効率よく出納する施設・設備が整っていました。
②立教学院史資料センター https://www.rikkyo.ac.jp/research/institute/rikkyo_archives/
立教学院史資料センターは、2000年に立教史関係資料の収集・整理・保存、立教史の研究を行う機関として、東京都選定歴史的建築物に指定されているメーザーライブラリー記念館・旧館(旧図書館旧館、1919年建設)の1階に設置されました。
紀要『立教学院史研究』(立教大学学術リポジトリRIKKYO Rootsで公開)を発行し研究成果を公表するほか、所属教員が全学共通科目で立教史の授業を担当しています。また現在、これまでの立教学院史研究を踏まえ、新たに発見・整理した資料に基づき、新たな視点・視角で執筆する『立教学院百五十年史』(全3巻)を編纂・刊行中です。
立教学院史資料センターでは、広く一般に立教学院の歴史や学生生活などに関係する資料の提供を呼びかけており、地下の収蔵庫には、紙、フィルム、写真などの資料を保存しています。ほかにも、キャンパス再開発の解体作業時に礎石から発見された約100年前の鉛製タイムカプセルや、立教ストリートの紋章付道路ポールなど、多種多様な資料が収蔵されています。
③立教学院展示館 https://www.rikkyo.ac.jp/research/institute/hfr/
立教学院展示館は、立教の歴史と伝統、教育と研究の取り組みを発信する場として、2014年にメーザーライブラリー記念館・旧館の2階に開館しました。展示スペースでは、貴重資料の展示、タッチパネルディスプレイや映像、写真等を通して、立教学院の建学の精神や創立から現在までの歴史を分かりやすく学ぶことができる展示がおこなわれていました。立教学院併設校の自校史教育の場として提供されているだけでなく、一般にも公開されています。
タッチパネルや引き出し式の展示は、スペースを有効活用できるだけではなく、「触れる楽しみ」や「開ける楽しみ」(展示物への期待を高める効果)がある、興味深い展示でした。また、現代的な展示用デジタル機器が歴史的な趣を残した建物と調和するようデザインされており、各コーナーのパーティションには立教のオフィシャル・シンボルである楯のマークを透かし模様に用いるなど、立教学院ならではの設えも大変魅力的な展示室でした。
立教学院展示館もまた、より充実した展示実現のため、立教に関する資料所有者に向けて寄贈や協力をホームページなどで求め、資料や情報の収集をおこなっています。
自校史資料の取扱いや公開について直接お話を聞き見学することができて、大変充実した研修会となりました。



・ウィリアムズ主教像の
前にて
